アカデミー賞もダイバーシティを応募条件に

ダイバーシティ

本日2022年3月28日、村上春樹さんの原作を映画化した「ドライブ・マイ・カー」が、アカデミー賞4部門にノミネートされ、国際長編映画賞を受賞しました。これは速報が流れたくらい大きなニュースでした。

2020年2月9日には、韓国映画「パラサイト」が初めて英語以外のアカデミー賞の映画として作品賞を受賞し、世界中を驚かせました。

これらのが素晴らしい作品なのはもちろんですが、加えてダイバーシティの潮流が、世界とくにアメリカのハリウッドの映画界でも広がっていることも大きいと思います。

2019年、アカデミー賞を主宰する映画芸術科学アカデミーは”Academy Aperture 2025“を発表しました。

これは、2024年からのアカデミー賞の応募資格として、出演者やスタッフに女性、人種/民族的マイノリティ、LGBTQ+、障害者がいることが必須である、という指針です

背景には、いままでアメリカの映画業界が白人中心の業界だったことが大きなの理由のひとつとしてあります。

特に2016年のアカデミー賞は、2年連続で俳優部門にノミネートされた20人が全員とも白人だっため、「#OscarsSoWhite(白人ばかりのアカデミー賞)」と非難されました。

これを払拭するために変わろうとしている動きで、最近アジア映画がアカデミー賞を受賞している理由にもなるのではないでしょうか。

実際に、アカデミーが発表したダイバーシティ&インクルージョンが反映されている選考基準”Academy Aperture 2025“の内容はこちら。

Academy Aperture 2025

このA〜Dの4つの基準のうち、2つを満たさなければならない。
※基準に関わる情報は非公開で選考に扱われる。

(A)作品のキャスティングやテーマ

・主役または重要な助演俳優に、少なくとも1人は、アジア人、ヒスパニック系、黒人・アフリカ系アメリカ人、ネイティブ・アメリカン、中東出身者、ハワイ先住民含む太平洋諸島出身者など、人種または民族的マイノリティーの俳優を起用しなければならない。
または
・二次的およびマイナーな役の少なくとも30%は、女性、人種/民族的少数派、LGBTQなどの性的マイノリティー、障がい者のうち2つのグループの俳優を起用しなければならない。
または
・作品のストーリーやテーマが、女性、人種/民族的少数派、LGBTQなどの性的マイノリティー、障がいを持つ人などをあらわすものである。

(B)製作スタッフ

・キャスティング・ディレクターや監督、プロデューサー、ヘアスタイリスト、メイクアップアーティストなど、リーダーシップをとる製作スタッフのポジションのうち、少なくとも2人は女性、人種/民族的少数派、LGBTQ、障がいを持つ人のいずれかである。かつ、そうしたポジションのうち少なくとも1人は、人種/民族的少数派を起用する。
または
・ファーストアシスタントディレクター、照明監督、スクリプターなど、少なくとも6人の技術職のスタッフが、人種または民族的マイノリティーである。
または
・製作スタッフの少なくとも30%が、女性、人種/民族的少数派、LGBTQ、障がいを持つ人である。

(C)有給インターン、仕事の機会などの人材育成

・配給会社または資金調達会社が、女性、人種/民族的少数派、LGBTQ、障がいを持つ人を有給の実習生またはインターンシップとして起用する。
かつ
・映画の製作、配給、資金調達会社は、女性、人種/民族的少数派、LGBTQ、障がいを持つ人に人材育成や仕事の機会を提供する。

(D)マーケティングや宣伝

・スタジオや映画会社でマーケティング、宣伝、流通を担うチームの幹部のうち複数が、女性、人種/民族的少数派、LGBTQ、障がいを持つスタッフである。


引用:ハフポスト

詳細はこちら(英語サイト)
Academy Aperture 2025 | Oscars.org | Academy of Motion Picture Arts and Sciences

いままでの批判が今後のダイバーシティ&インクルージョンの映画界を目指すきっかけとなりました。今後はこの指針をもとに、ダイバーシティ&インクルージョンな実効的な行動につなげるかが試されます。

今後ますます多様な人種や文化が反映された映画業界となり、子どもたちが無意識に多様な価値観を持つ社会になっていくことを願います。

Kyoko

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