「女性活躍」を推進しなくちゃいけない理由

ジェンダー

学校では男女はいつも平等だったし、共働きも増えてるし、「なぜ、今さら女性活躍を勧めないといけないの?」と思う方もいるのではないでしょうか。

その要因のひとつに、ジェンダーギャップ指数が世界で最低レベルである、ことも挙げられます。

毎年1回、世界経済フォーラムが男女格差の状況を測るジェンダーギャップ指数を発表しています。

2021年、世界の先進国から途上国までの156カ国中、日本は120位でした。これは先進国の中では最低レベル、アジア諸国の中では韓国、中国、ASEAN諸国より低い評価でした。

原因として、特に政治分野と経済分野のスコアが低いです。

この理由としては以下が挙げられます。

1. 管理的業務に就く女性の比率が少ない(管理職の女性比率が低い)

2. 専門職や技術職に就く女性が少ない(プロフェッショナルや、理系の女子が少ない)

3. 女性の平均所得が男性より低い
給与制度が男女で一緒だから大丈夫だと思っていませんか?
生涯で得る所得は、女性が断然低いといわれています。
女性は結婚・出産・育児・介護などで退職したり、短時間の勤務にしたり、派遣やパートの仕事に変わったりすることが多いためです。
特に子どもが小さい数年間は女性が子育てに集中することが多い現状です。それで女性の方の立場が弱くなったり、選択肢が少なくなってしまう場合もあります。
確かに出産は女性しかできませんが、それ以外の家事・育児・介護も女性が担うことが多く、女性の生涯平均所得がとても低い結果になっています。

特に政治分野では、国会中継などを見ても政治家の女性比が50%からは程遠いことが一見してすぐわかるのではないでしょうか。

海外の他の国と比較しても、日本の女性比率・女性管理職比率は大変低い状況です。

普段の生活で、今でも充分に「今まで男女平等で育ってきたし、男女の給与体系も一緒だかから、何も困ったことはない」と思っている方もいるかもしれません。

ただ、残念ながら今の日本では全員がそう思える状況ではないことを、世界の評価機関がはっきりと数値で示しています。

また「女性活躍」は、ただ単に女性の社員数や管理職の数を増やすことではありません。

とても能力があるのに、意識的・無意識的にでも何かの理由で活躍が妨げられたり、昇進が遅れたりしているのなら、その原因を改善しなければなりません。

権限のある高い立場や管理職で、最大のマイノリティである女性の割合が高くなり、重要な意思決定の場で多様な価値観を活かした意見や決定がされるようになれば、変化の大きいこの時代でクリエイティブな成果の出やすい組織になっていきます。

女性活躍を進めることが、多様な価値観をもった人材が活躍しやすい組織へと変化し、中長期的に成果を出す組織・企業に成長するのです。

だから、最近の投資家は、組織や企業の「女性活躍」や「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」の状況を数値で確認し、投資先を決めるように変わっているのです。 「女性活躍」は国や企業や組織が中長期的に成長するために必要不可欠な取り組みなのです。

Kyoko

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